2015年4月18日土曜日

時代の変化とは「柘榴坂の仇討」

原作浅田次郎著の映画化「柘榴坂の仇討
いろいろな人からのお勧め作品でしたが
見る機会を逃していました。
そこで、思い切って、長岡中越高校の近くに出来た蔦屋へ行き
DVDを何十年ぶりかで借りてきました。
会員手続きもしました。蔦屋は大きな本屋さんです。
暇なときは,半日はここで過ごすことが出来そうでした。
さて、早速「柘榴坂の仇討」を借りて観ました。
主人公の下級武士志村金吾を演じる中井貴一の渋い演技と
妻セツ役の広末涼子の自分を殺し、武士の妻としての表情に
この映画の重みが感じられました。
志村金吾の主君井伊直弼を演じる中村吉右衛門。
裏覚えの歴史人物とはちょっと違った、なかなか人間身のあふれる人物です。
井伊直弼を守れなかった、志村の仇討、
その相手佐橋十兵衛に阿部寛。
セリフの少ない難しい役はいつもの阿部寛とは違う。
セツの手首につけられた、お守りのシーンは五藤監督作品に使われる
キーホルダーの想いを思い出す。
原作を読んでいない、私の誤算はこのお守りでした。
お守りの糸が切れたら、願いが叶う。それは武士として仇討を果たす。
果たすことは夫が切腹出来ることである。
この想像が頭から離れずにいました。
でも、話が進む途中、
雪の降る中、寒さに耐え咲く雪椿のシーンが私の心を安らかにしてくれました。
何より大切なものは生きること、主君は仇討を決して望んでいないと気づく志村の
心。十兵衛が自分もしあわせになっていいと気づき
長屋のお隣さん母娘に湯島天神に行こうとつぶやくシーン、
志村がそっと妻の手をにぎるラストシーンに涙がこぼれ、
この映画の全てはこの2つのシーンにテーマがあるのではとほっとしました。
それにしても
幕末から明治へと時代が変わって、世の中の全てが間逆に動いた時代を
映画の中で見ていると、70年前私の知らない終戦の時代、そしてついこの間の
福島原発・・・・・。いつの時代でも、昨日と今日、たった一日で世の中は変わる。
なんだか複雑な感情で胸がいっぱいになってしまいました。
ご覧になっていない方におすすめ映画でした。
今度は原作を読んでみようかなと
積み上げられ読まれていない本を見て、ひとり笑っています。


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