2016年5月18日水曜日

指揮者 佐渡裕


拍手は長く、何回も続きました。
トーンキュンストラー管弦楽団とマエストロ「佐渡裕」さんに対する感謝と賛美の拍手です。
幕が下りると、会場アナウンスが入りました。
「ただ今から、熊本地震の募金を皆様にお願い申し上げます。募金をしていただいた方は佐渡裕さんと握手が出来ます」と言う内容でした。
早速、列に並びました。
緊張の中で佐渡裕さんと握手です。私の身長は150センチ、佐渡裕さんは外国人と同じか、それよりもちょっと高いかもしれませんでした。私は握手しながら、佐渡さんの顔を見上げました。すると、額からは玉のような汗が噴き出していました。
 玉のような汗です・・・・・。
会場は長岡市立劇場です。私はA席19列2番。
クラッシック音楽を是が非でも聞きたいと言う訳ではない私。指揮者の名前に惹かれ、世界の「佐渡裕」さんをこの目で一度見たかったからです。
さて、開演直前です。バイオリンの音合わせ、 これは映画「マイストロ」で松坂桃季が演じていた役だなと、ひとりでうなづいていました。

いよいよ本番です。タクトは優しく、時には荒々しく、大きな体と一体になって振れています。
バイオリン、チェロ、などの弦楽器は曲の流れの中で一斉に波を打ちます。ベートーヴェンピアノ協奏曲第一ハ長調作品15の演奏になるとステージの中央にピアノが移動されました。ドイツと日本人の両親をもつアリスさんです。スタイルは最高、体のシルエットがはっきりとする薄紫色のドレスに身を包み、背筋をピーンと伸ばし、颯爽と中央に登場。10本の指が鍵盤を軽やかに、力強くタッチします。指揮者とのアイコンタクト。もう世界が曲に包まれているように感じました。
休憩をはさみ、2部で長い43分、47分の曲が演奏されました。そこで私は一番感動したのは花形の弦楽器、管楽器ではありません。打楽器のテンパニーと トライアングル?(これは遠くだったのではっきりとはわかりません)この楽器は、脇役から主役に変るのですから。テンパニーのバチはきめ細かな技術で作り上げられる日本製が一番とテレビで見たことがありました。きっと日本製に間違いないはずです。曲の盛り上がりで、ラストで、存在感を表現する。そして、出番を「待つ」ことがどんなに重要かを強く感じました。トライアングルの音色は天使のベルそのものでした。
ひとつの楽団をまとめ、全身全霊でタクトを振り、感動を与てくれる佐渡裕さんに会えたことは
一生の想い出となりました。

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