2016年5月3日火曜日

キネマの神様

ラストは映画も本もかなり、気持ちが高ぶり、人生の終焉がいい感じに終わるかどうかと思うほど重要です。あと数ページでこの「キネマの神様」を読み終えようとしている、まさに感動に涙するその瞬間の出来事でした。
「今頃、ギャク(栃尾ではカエルをギャクと呼ぶ)が一斉に鳴くけど、お母さんにはどう聞こえる?」とわざわざ窓を開け、カエルの大合唱を聞かせる夫。おまけにカエルの種類と鳴き方まで教えてくれる。ギャクギャクギャク・・・とうるさく鳴くのは「ニホンアマガエル」、ゲロゲロゲロ・・・と鳴くトノサマガエルと思っていたのは「トウキョウダルマガエル」だそうです。カエルが大合唱するのは求愛のため。代掻きの後、彼らは卵を産み、田植えの頃になると、オタマジャクシになる、などなど夫は丁寧に説明してくれています。でも、私は生返事を繰り返すのです。そんな私に「ブログのネタを提供しているんだけど、お母さんは本に夢中だね」と夫は少し腹を立て、寝室へ行ってしまいました。悪い事をしたなと思いつつ、「ああ、良かった」と思う私。私はこの、初めて読む「原田マハ」さんの本に感動しているのです。この感動がさめないうちに、思ったことを書き留めておきたかったのです。
「キネマの神様」はお友達が送ってくれた本です。心臓の手術をして、仕事復帰したものの、意欲がわかず 、元気のない私への「お見舞い」と称した叱咤激励の贈り物 でした。
ブログを書くようになって、かれこれ、4年以上になります。夫と娘は私のブログは自分で読み返した形跡がなく、間違いだらけで、誤字脱字も多く、人様に見せられたもんじゃない、と言います。そんな言葉に心が折れそうになることもありました。でも、「キネマの神様」の重要人物の人が、そんな私に、このふたりの忠告を無視して書き続けていいんだよ、と教えてくれたのです。その他にも、この本でたくさん感動するところがあるのでが、この本の中でカギとなる映画「ニューパラダイスシネマ」を観ていなかったのがちょっと残念でした。「キネマの神様」に会えるまで、私なりのペースで鑑賞しましょう!

でも、不思議に思うのです。この本を送ってくれたお友達は出版社にお勤め、私が密かに応援している人は映画監督。なんだかこの小説の世界のようです。また、登場人物のひとり清音さんはまるでアメリカに住む娘のようです。知識も、学歴もない私がどうあがこうが、豆撰のおばさんです。それ以下でもそれ以上でもないのです。だからこそ、この三人に私の夢を託したいと、強く思いました。突き進む勇気と若さはだんだん薄れますが、若者の未来を応援していきたいと思っています。応援することは人生の張り合いとなるはずですから……。
耳を澄ませば、カエルの求愛。夫につれなくしたことを少しだけ反省しています。

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