2016年6月17日金曜日

結婚を決意する。

姉ちゃんの形相が変わるほど、「絶対嫌だ」と宣言したお見合いでした。
それなのにどうして1年後に結婚をしたのか、それは・・・・・・。

お見合いのお相手「足の大きな人」は栃尾の人ではありません。
そこで、私の父は探偵のように、「足の大きな人」の調査に出かけたのです。

その結果、人柄もよく、商売繁盛の働き者との評判で、
申し分のない人だから、結婚を前提にお付き合いをするようにとなったわけです。
それでも、姉ちゃんは気が進まなかったのでしょう
私を味方につけようと「ねえ、礼子ちゃん、駄目だよね、絶対行かない方がいいよね」と
必死で同意を求めるのです。私の本心は、大好きな姉ちゃんがいなくなるなんて
ダメだと思いました。
そして
最後の決め手はおばば(私の祖母)の気持ちだったようです。
「おまえは、この家にいる子ではない。いずれどこかに行かなければならない。
人柄もよく、先方さんも気に入ってくれているんだから・・・・・・。」
昭和40年は、恋愛結婚の時代ではありませんでした。
そして、だれもが祖母の病が大変であることを知っていました。

いろいろな事情はあったものの、たった一回のお見合いとたぶん数回のデートで
結婚を決めた姉ちゃんでした。


結婚式当日は中学の期末試験日でした。
そのために結婚式前夜だというのに
私は猛勉強というか一夜づけの勉強のため
別室にて一人黙々と・・・のはずが炬燵でぐうぐうと居眠り・・・・・。
目を覚ますと、一枚の手紙が置いてありました。

「礼子ちゃん、姉ちゃんはお嫁に行きます。でもいつまでも礼子ちゃんの
姉ちゃんです。みんなのことをお願いします・・・・・・。」と書いてありました。
胸が張り裂けそうになったあの日のことは今も忘れません。


結婚式から1年後に姉ちゃんはお産のために我が家に里帰り、
ふたたび家族が全員揃いました。
このまま姉ちゃんがいてくれたらいいなあと
心の底から思いました。
それから、すぐの出来事でした。

この続きは姉ちゃんの命日6月20日で最終回とさせていただきます。

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