2016年6月21日火曜日

もう一度振り返って「ゆめのかよいじ」

2013年作品「ゆめのかよいじ」
この作品に対しての評価を偶然 みつけました。
そして、ふと立ち止まって考えてみました。
この作品は誰のものでしょうか?

映画を観る方の性別、年齢、環境、もっと細かく分類したら、
劇場に足を運ぶその時の気持ちにもよって感想は違ってきます。

娘から強い批判を受けることも多々あります。
特に、ネタバレはしてはいけない。ルール違反だと一喝されて
私はしょぼくれてしまったこともありました。
確かに、観ていない方にとってのネタバレは慎む必要ありと、反省しています。
つまり、どの映画も劇場の椅子に座った人がその映画を観終わるまでは
観る人の「映画」になるのではないでしょうか?
酷評もあり、べた褒めもあります。
心無い酷評に唖然とすることもあります。
それでも、その人が感じたことはその人の自由です。

さて、では私の中のこの映画はどんな映画か
ちょっと、おしゃべりしてもいいでしょうか?

撮影場所は私の生まれ、育った栃尾です。
その風景描写は、私が幼い頃から60年以上駆け回った
諏訪様の階段、雁木通り、山間の里栃尾などがたくさん描かれています。
どの風景も私にとって大切な想い出の場所です。

刈谷田川(金沢あたり) での石積みは栃尾の伝承物語になっています。
親より先にあの世に逝ってしまった子供たちの替りに
石を積む伝統行事は栃尾人だけでなく
日本人の心に深くしみ込み、少し切なくて、それでいて心が和むのではないでしょうか

余談ですが、豆撰の動画作りを五藤監督にお願いした昨年のことです。
もちろん、栃尾の豆畑からはじまり、棚田、城山、静御前のお墓そして、刈谷田川
の石積みの名残を撮影する段階になると、
付き添っていた私のことも忘れかのように長い時間、カメラを回しておられました。
この石積みには監督の想いが強いことを改めて感じました。

五藤監督映画の特徴の一つだと思うのですが、ややスローな運びは
人それぞれの心に刻まれている、想いを蘇らせてくれます。

最後に「中越地震」炊き出しの映像をあえて入れた監督の意図は
大変な時こそ
「助け合い」の心が大切と感じたからではないでしょうか

栃尾の風景の中で息づくファンタジー世界を
初監督作品「モノクロームの少女」と合わせてご覧いただき、ぜひ一度栃尾に.
足を伸ばしていただきたいと思います。


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