2015年2月13日金曜日

2泊3日の仕事と読書と観光2

「海辺のカフカ」を読むことは、朝早く目が覚める私には
ビジネスホテルで何も出来ない個室の中で
有意義な時間を使うのにもってこいでした。
カフカは家出をして、高松でいろいろな人に出会う。
想像の世界なのか、夢なのか現実なのかは私にはまだわからない。
ほぼ、この上巻を読み終えた後に
世界遺産「厳島神社」に向かう。
フェリーから見えてくる大鳥居は何だか私が思っていたより
小さく見える。少し気持ちの中で「これなの?」と沈んでしまいます。
すると、カラスが頭の上でささやく
「想像の世界と現実の世界のちがいでしょう、あなたはまだ目の前で見ていない」と・・・・・・。
さて、フェリーを下り、人の流れにそって歩く
朝9時半、陸の上に建つ大鳥居はカラスの言った通りです。
奈良の大仏とほぼ同じ高さの大鳥居は静かな細波を後ろに
壮大にそして、幻想的である。
平殿に入ると、紀元節の祭りが厳かに.行なわれていました。
雅楽の調べは心に和をもたらし、宮司たちの古式にそった、お供え物の数々。
御供えが終わると「舞」が 始まりました。
この場面から私はもう妄想の世界です。平家の時代に行ってしまいました。
私の前の踊り子は祇園女御となり、もしかしたら清盛は
本当に白河上皇とこの祇園女御の子供だったのではと想像している私。

仕事で広島に行った私にとって、この宮島への観光時間は短く
4時間です。幻想と妄想の世界はこれくらいにとどめ、千畳敷、五重塔へ駆け足です。
千畳敷は秀吉時代に遡りました。柱、彫り物、広さ、建物を外から眺めると、
京都の清水寺を連想させました。
そして、床の一枚一枚に何千何万何百人の足跡が残されていました。
床の木目の磨り減った窪みにそっと手をふれると、戦国時代に歩んだ人の魂の足音が聞こえてきます。
宮島の町を廻る時間はなく
ここは現実、今のうちに「アナゴ飯」をどうしても食べてから帰らなければなりません。
厚い木のふたつき丼には柔らかいアナゴがのせられ、上品な味になっていました。
私と娘は大満足。
時間を気にしながら帰り道を急ぎました。
目の前の大鳥居は海に浮かぶ。この光景には「世界遺産」を強く感じました。
本当はこの世界遺産をゆっくり堪能し、私の妄想世界へ入りたかったのですが
フェリーの出発時間は早く、妄想は中断。
駆け足でフェリーに乗り込みました。
続きは次回へ。

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