2016年3月7日月曜日

筆子その愛 -天使のピアノー





平成19年度児童福祉文化賞受賞作品

監督「山田火砂子」氏
主演 「常盤貴子」さん

この作品は前から気になっていた映画でした。
でも、観るチャンスに恵まれずにいました。
そのチャンスを長岡アジア祭が届けてくれました。
入場する前に100ページほどの本をいただきました。
その表紙は映画のタイトルの「筆子その愛ー天使
のピアノー」と書かれたモノクの白い本です。
私はこの映画のポスターのこの字が気になってい
ました。


さて、映画のはじまりは
裕福な家庭に生まれ、有力な藩士の娘として教養と
美貌に満ち満ちた若い時代を過ごす筆子、絶対にふ
れることのできない別世界のピアノの存在、最初の結
婚、女性教師としての活躍、常盤貴子さんの演じる鹿
鳴館時代の雰囲気を観ていると、ふと私の中に嫉妬心
とは違うのですが 、裕福と貧乏の違いが頭をよぎり、
熱演されているサト役の渡辺梓さんに感情が走るのです。
ここが私の悪い観かたなのです。全部観終わると、
映画のはじまりに感じたこの感情を恥じてしまいました。
内容については、ぜひご興味のある方は映画そして本
をご覧ください。

筆子先生の愛は無償の愛です。
再婚した夫石井亮一先生の愛も無償です。

そして、この作品を手がけた監督「山田火砂子」氏は
親としての目線と監督としての目線で
人に感動を与える映画を撮り終えたのでしょう。 今、想像するよりもはるかに差別されていた時代
障害児をまとめて、白痴と言った時代に、
無償の愛で慈しんだ筆子さん
に対して、ちっぽけな愛情さえもてない自分が情けない。

保育園に勤めていた時に3人の知能に遅れのある子
どもたちとかかわりました。
遠くの記憶がよみがえってきます。
お昼寝なのに、あばれてお昼寝ができません。
私はしっかりと布団の上から、彼らが飛び出したり、
他の子の迷惑にならないようにと押さえこむのです。
言葉のでない子に対して、先回りしてやったり・・・と
今思えば失敗ばかりでした。
私のもやもやと障害のある子を救ってくれたのは
映画の子供たちと同じ、子供たちでした。
私のように、口と手を先に出さず、子供たちは保母
以上の優しさで導くのです。それ以来私は自分の
役割を子供たちにお願いしたものです。

そして、映画では映しきれない部分を本が解説してく
れます。ベテラン俳優の演じるすべての俳優さんと
同格に演じた多くの子供たちに
「ありがとう、素晴らしかった」と伝えてやりたいと
思いました。


この題字を書かれた俳優の小倉一郎さんにひかれた
理由は映画の中の役が。この題字にあふれていたから
だと思いました。









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