2016年9月11日日曜日

一分間だけ




タイトルの「一分間だけ」にどんな想いが込められているのだろうか

少し、首をかしげながら読みました。作者は原田マハさん。
生後三か月で家族の一員になった犬とその家族のお話です。

ペットショップに並んでいる愛くるしい子犬を見ると
いつもほしくなります。
仕事やめたら犬を飼おうかなって
夫につぶやくと
決まってこういうのです。
「誰が毎日散歩するんだ」
「決まってるでしょ、私よ」と口をとがらせ反論するのですが。
わかっています。そう簡単でないこと。
おまけに我が家には「吾輩は猫」と自由気ままに人生を
謳歌しているアメリカンショートヘアーたるものがいるのですから
この猫は随分長生きです。16年くらい生きています。
老人たち(義父母)は100歳万歳確実だといつも思っています。
おまけにこの猫もそうなのです。
我が家で、病気で入院をするのは夫、娘、そして私なのです。
私のつぶやきは決まっています。
「ねえ、マメ!は良いよね。毎日働かないのに食事を与えられ、
おまけに自由気ままでさ、たまにはお母さんの替りに仕事してよ」
こんな毎日を送っている私に
この一冊の本は涙涙でした。

犬の名前はリラ・・・・・・。
リラは賢く、主人公の藍に大切なものは何かを教えてくれたのです。
藍はリラがいなければ、世話もしなくていい、仕事も出来る。
リラさえいなければと
この場面になるともう苦しくって苦しくって
涙が止まらなくなるのです。リラが可愛そうでなりません。
でも藍の気持ちもわかる私。

元同居人の恋人と主人公が、一番大切ことに気づいた時は
リラはもうこの世にいませんでした。でもリラは残してくれたのです。
石ころや雑草をみつけて遊ぶ世界がどんなに素敵なことか。

私は自転車で今日も通勤しました。
いつもより、ゆっくりと川や土手の草花に目をやり
リラが教えてくれた大切なものを感じながら・・・・・・。

このタイトル「一分間だけ」について私の感想を書いたら
まだ読んでいない方に失礼になるからここでやめておきます。
中盤から最後は涙を流しながら一気に読んだ一冊でした。
もしお読みになられた方がいたらこっそりと
ご感想を聞かせてください。
最後が切なすぎて・・・・・・。

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