2015年5月14日木曜日

今年で最後になる稲作

今朝、夫の手伝いをしました。
3反ほどの小さな田んぼに田植えの苗を運びました。
夫は、長い間、おからの有機肥料を中心に
除草剤を減らし、丹精込めて米を作りをしてきました。
でも、今年で最後です。
理由は、田植え機、コンバイン、乾燥機を我が家は持っていないことです。
田植えと、稲刈りは親戚からやってもらっていたのです。
その親戚の人も78歳を超え、我が家の分は負担になってしまったため、
他の人に耕作を全部委託することにしたのです。
苗を運び、しろかきの終わった田んぼを見つめると
夫の苦労が思われ、寂しく切ない気持ちになりました。
夫の口癖は
「有機のうまい米を作って、お前に食べさせたい」でした。
畦作りから毎日の水の管理と春から秋の収穫までは
ほとんど、毎日朝と夕に田んぼ仕事に行く夫でした。
義父が田んぼ仕事をしなくなって15年以上になります。
その間、ひとりで頑張ってきた夫の苦労と喜びが田んぼの水面に写る
さざなみに 思えて、目頭が熱くなりました。

遠い、異国の地で暮らす娘もきっとがっかりすることでしょう。
我が家だけでなく、多くの小さな農家にとって、また日本の農業者にとって
大きな問題になっていても、どうすることも出来ない現実が
とうとう我が家にも押し寄せてきたようです。

「仕方ないね、今度旅行も出来るし、まあいいじゃん?」と笑いながら
寂しさをこらえました。

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