山の家の片づけをする。
ほとんどが私の趣味のもので埋まっていました。
ひとつひとつダンボールに入れる。
それを父母の寝室に運ぶ。
本たての中に、私がプレゼントした
相田みつをの本と大学ノートが目に入る。
大学ノートは日記だった。
中越地震からはじまっていた。
「今まで生きてきて、はじめての経験だ」
中越地震前の庭の土砂崩れの様子と
建設課に復興のお願いに苦心していたことが書かれてあった。
父にしてみれば土砂崩れで庭は失ったけれど
中越地震の災害状況から比べたら
自分は良い方だと自分に言い聞かせていた言葉が
何回も繰り返されていた。
「生きているだけでまるもうけ」
災害の心労からか
父はいくつもの病に侵された闘病生活を振り返ると
涙でにじみ、最後まで読むことができず
日記を元の場所に返す。
そして、私は亡き父に
「生きているとね、コロナっていうウィルスが日本だけじゃなくてね
世界中を苦しめているんだよ。
でも、生きているだけまるもうけだよね」と天国の父に
私が私を納得させるために語りました。
0 件のコメント:
コメントを投稿