2020年6月11日木曜日

旅人の喜び…クレマチスの少女












クレマチスは日本名「テッセン」

小柄な白髪の貴婦人は絞りの着物ドレスをまとって
まるで少女のような
笑顔で「ようこそ」と私と妹を迎えてくれた。

テラスへの大きなガラス戸を開けると
とても軽やかな香りに包まれる。まるで妖精たちが赤や白の靴を履き
お花の冠をつけて、丁寧に右手を胸に、ドレスの裾をもち
会釈しているようだ。


花言葉を調べたら
ヨーロッパでは旅人が快適に一夜を過ごせるように
クレマチスを植えてやさしく迎え入れたことで
「旅人の喜び」というらしい。
また、ツルが細いのに大きく鮮やかな花を咲かせることから
「精神の美」とも。

花言葉の通りに
私たち姉妹は二晩の今までにない
人生初の最高のおもてなしを受けたのです。

丹精込めた年月がうかがえる。
旅人を喜ばせるための根気は大輪を支える長いツルだ。
小さな白髪の貴婦人の家は人生の集大成でいっぱいでした。

そして
クレマチスの輪は次から次へと広がり。
お友達のそのお友達のお宅へ私たち姉妹は招待された。

晩さん会には季節の美味しいものが次々とテーブルに並びます。
中でも、サンショウの新葉とソラマメのてんぷらには驚かされました。
そして豆撰の油揚げとタケノコの煮物が素敵な器に盛りつけられて
運ばれてきます。私たちを思いやる優しさが嬉しくて嬉しくて。

お別れ時、黄色のポットに入った「ジョセフィーヌ」は
妖しく微笑んでさようならと手を振った。





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