2020年6月24日水曜日

想い出の杤尾寿司



栃尾名物と言えば「栃尾の油揚げ」
通称「あぶらげ」と栃尾人は言います。

お彼岸に、お盆に、お正月には叔父叔母従妹が
大勢集まります。母は大忙しです。
20人分のまかないを一人でするのですからそりゃあ大変。
大きな釜でご飯を炊きます。
大きな鍋であぶらげを煮ます。
大きな鍋で野菜の煮つけもします。
夜、朝、昼と一日三食を作ります。
それに、その大勢の親戚はお泊りするのです。
3泊4日は当たり前。
東京からの帰省客は1ヶ月は泊まります。これが恒例なのです。

母は文句も言わず
食事の用意を一人でするのです。
思いだしただけでも気が遠くなり「私には無理、絶対無理」。

母は辛抱強かったなあと
この年になって、母の偉大さを感じながら遠い昔を振りかえっています。
母の姑つまり私の祖母は気位の高い人だったから
母の難儀さは子供心に感じて、田んぼに畑仕事,洗濯にお掃除
そしてまかない。
母がかわいそうでならなかった。

それでも大勢の人が集まると私は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
中でも母の作る大きな大きなあぶらげ寿司が楽しみでした。
母にへばりついて、あぶらげを軽く絞ってご飯を詰め、
大きなお皿に並べる作業を正座して見つめていました。

その幼少の頃の思い出が「杤尾寿司」になりました。












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