一年と2ヶ月ぶりの面会だった。
コロナウィルスは母と娘の距離を離していた。
突然の電話を受け
妹と療養病棟に向かう。
主治医の女医は丁寧に病状を説明する。
苦しみはなく過ごしているが心臓が相当弱ってい
るとのこと。いつ止まってしまうかわからない状
態を申し訳なさそうに物静かに話してくれる
女医の優しさに感謝する。
病室に案内され。母を見舞う。目を閉じ眠ってい
るようだ。呼吸は少し荒く感じた。
言葉が話せなくなり2年が過ぎようとしている。
私たち姉妹のことも認識できないだろうと思いな
がら、耳もとで母を呼ぶと目を開ける。
そしてまたくるから頑張ってと声をかけると
かすかにうなずく。
このうなずきに涙が溢れてしまう。
無情なコロナウィルスのせいで
母との面会は最後になるだろう。
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