有島武郎作品2冊目に挑戦してみました。
おそらくFBのお友達に進められなければ挑戦しなかったでしょう。
でも、読み始めるとなんだか先が知りたくなりました。
本の中に登場してくる「私」は有島武郎であり、「君」は画家を目指しているのに喘ぐ漁夫。
私の頭の中は糸巻きが絡んで、糸口が見つからない状態になりました。
私と君は同一人物に思えてならなかったからです。
どこからどこまでが本当なのか、どこからが想像なのかわからない。
画家になりたい君を、私は勝手に青木繁の「海の幸」に想い描いていました。
読み進むと怖い場面が出てきます。夢と死は隣り合わせにすんでいるような
場面です。私は心の中で「死んではいけません」と「だから有島武郎は自殺したのか」
とこの2つの呪文を繰り返していました。
夢や希望の裏には孤独と 守らなければならない生活がある。
男ならなおさらの時代でしょう。
女の私でさえ理想と現実の葛藤の連続。
60年の人生を振り返ると、苦しき事ばかり。
でも、今は穏やな気持ちになれる余裕が少し感じられます。
それはきっと
それを乗り越えてきた道のりが想い出に変わってきたからかもしれません。
60歳にして、なんだか難しい本を手にして、自分なりに想像して理解している
自分を楽しんでいるようです。
いくつになっても、「想い」と「考える」ことを失わないようにしたいものです。
そして、まだまだこの先の人生には苦しい事がたくさん待っているかもしれない
でも、その道を歩き、乗り越え、また「想い出」に変えていこうかな?と思いました。
0 件のコメント:
コメントを投稿