数日前にネットで注文した本が届きました。
いつものように、厳重に包まれ、外箱を開けるとダンボールに
はさまれた小冊にちょっとビックリ、拍子抜けの感じ。
何故なら、作者「有島武郎」の本です。
中学生か高校生かは思い出せないが教科書に載っている作家です。
聞いた事はあるが、読んだことは一度もない。
裏覚えに「或る女」とかあったような、かすかな記憶です。
FBのお友達のおすすめ?本ならば読んでみましょうと
購入したわけです。
そして開けたら、なんと短編・・・・・これなら読めそう・・・・・。
ページ数が少ないと、心に負担がない。
読み始めた本は「小さき者へ」
書き出しからして、何やら遺書めいていました。読み進むと
妻の出産の描写が読み手をドキドキ、ハラハラさせます。
ああ、この妻は、赤ちゃんを産んで
ひとり別世界に行くのだろうかと思わせる書き方でした。
他の方が読んだらそうでもないのかもしれませんが・・・私は
勝手に想像し、話を自分で作っていたからです。
すると、私の話は崩れ、赤ちゃんは無事に生まれたのです。
葡萄酒を盥の中にあけろと命じた産婆、暫くしてかすかな産声が響く場面に
小説の中で安堵し、一人娘の誕生を思い起こさせてくれました。
ひとつの命の誕生は、はじめて耳にするうぶ声は私の鍵をかけられていたオルゴールの
蓋が突然開き、奏ではじめ、小説と重なって聞こえました。
それから、妻の病気
妻の病気について、またまた重複していました。
母とたづねた病院、祖母は私に行ってはいけないと言った病院。
病棟に入る時にきつい消毒の臭いと白衣を着せられたような記憶。
母の妹に会うために、当時食べることがほとんどなかった肉を
「肉は血になるそうだから、食べてね、治るからね」と母は叔母に肉を渡していました。
遠い記憶は確かなのかどうかわかりませんが本のページをめくるたびに
その病棟が浮かんできました。
「おばちゃんは良い薬が出来て、治るんだよ」と母が教えてくれたような気がします。
ストレプトマイシンだったのでしょうか?そのおかげで叔母は元気です。
今も70歳を越えているのに元気で、氷川きよしの おっかけをやっています。
話がそれましたが
小説の中では妻の流すあつい涙が私の頬をつたう。
この小説は有島武郎から小さき者へ書き残した遺言状かもしれないが
私は同じ母として母の気持ちが伝わって、大きく心を揺さぶられたようでした。
残された子供たちは 有島武郎のこの小説から母を想うのでしょうか
残された子供たちには母の気持ちは
十分に伝わっているのではないでしょうか。
だれでもみんな、生まれた時に母はいます。生まれてすぐに母が他界しても
大きくなってから母が他界しても・・・子を想う母の気持ち変わらないと思いました。
少し早いけど、この小説の母へ送ります。さくらんぼの花を!
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